日刊建設新聞社.com
ニュース | トピックス | 建設業株一覧 | マーケット情報 | 建設用語辞典 | 倒産情報 | 地図 | 建設業法
 
トップページ► トピックス

道路トンネル分岐合流部構築『ウィングプラス工法』を実用化

−実証実験を完了し実プロジェクトへの適用にめど− ハザマ(社長:新名順一)、JFEエンジニアリング(社長:斎藤 脩)、 青山機工(社長:信定隆宇興)の3社は、都市道路トンネルの分岐合流部構 築工法である『ウィングプラス工法』*注1の実用化に向けた各種の実証実 験を先ごろ完了させ、同工法の実プロジェクトへの適用にめどをつけました。   大都市圏では、慢性化する交通渋滞を解消するため、大深度地下を利用した 環状道路トンネルなどの道路整備が急がれています。これらのトンネルへの 出入口やジャンクションといったトンネル分岐合流部の施工にあたっては、 工事用地確保や交通阻害といった問題が少ない非開削工法による構築が必要 となっています。 また、道路トンネルのみならず、従来は開削工法によって施工されてきた鉄 道分岐合流部や共同溝の連結部などでは、安全性や経済性に優れた非開削工 法の技術開発が求められています。このような要求に応えるため、3社では 2004年10月に分岐合流部を非開削で構築する『ウィングプラス工法』 を開発し*注2その後、1年半にわたって実用化に向けた実証実験を実施して まいりました。
ウィングプラス工法は、シールド胴体部からアーチ型掘進機を張り出し、道路トンネルの構築と同時に分岐 合流部の拡幅施工に必要な防護工(先受けアーチシェル)を造成する工法です。その主な特長は下記の通り です。  1.高剛性の先受アーチによって周辺地盤の緩みを防止するため、地表面沈下の抑制効果が大きい。  2.トンネルに沿って連続的に先受アーチを造るため、高い止水性を得ることができる。  3.シールド掘進しながら同時に先受アーチをつくるので、防護工の工程を約25%短縮することができる。   4.先受アーチを造成することにより大規模な地盤改良を省略するため、切り拡げの工費を20〜35%低   減することができる。    実証実験では、二分の一から三分の一の大きさの実験機を製作いたしました。この実験機を用いて、 1.アーチの掘削、2.先受けアーチの打設、および、3.アーチ型掘進機の姿勢制御、といった主要な3 つの技術課題について、実施工に近い条件で実証実験を行いました。    アーチの掘削実験*注3では、今回新たに開発したアーチカッターを用いて軟岩の模擬地盤を掘削し、カッ ターの掘削性能を確認いたしました。    アーチの打設実験*注4では、大深度地下における施工状況を再現するため、0.5MPaの水圧が作用す る土槽を準備いたしました。その土槽内において先受けアーチコンクリートを打設し、アーチの品質・強度 に問題のないことを確認いたしました。    アーチ型掘進機の姿勢制御実験*注5では、アーチ型掘進機の模型にシールド施工時の変位と回転を再現し て与え、張出し部分に採用したパラレルリンク機構*注6により、リアルタイムの姿勢制御が可能であるこ とを確認いたしました。  これらの実験の結果をもとに、カッタービットの改良やアーチ打設方法の見直しなどをおこない、実用化に 向けた技術課題を解決いたしました。3社では今後、大都市圏の道路プロジェクトを主なターゲットとして 、同工法の営業展開を図ってまいります。  注1)ウィングプラス工法: Wing−PLAS工法。Wing−Pre−Lining Arch Su    pportの略 注2)ウィングプラス工法の開発に関するプレス発表:2004年10月29日 注3)アーチカッターの掘削性能実験 注4)先受けアーチの打設性能実験  注5)アーチ型掘進機の姿勢制御性能実験  注6)パラレルリンク機構: 上下、左右、前後、ピッチ、ロール、ヨーの6動作を自由に制御するための機    構。航空機のフライトシミュレータや産業ロボットなどに利用される。
2006年06月08日
▌トピックス
| Operation | 利用規則 | プライバシーポリシー | Connect |
Copyright c 2024 nikken-times.com All rights reserved.