大建協など、土木工事現場見学会を開催
この後、JVの前田氏らの案内で参加者は現場敷地内に入り、ケーソンの周囲に設置された掘削揚土機や水中 掘削機支援機などを説明を受けながら見学した。このケーソンは外径が35m、内径が30m、沈設深さ46.2mとい う国内最大のもので、現在は全体八プロット(約42.5m)のうち七プロット(約36.6m)のコンクリート構築が 完了している。完成後の貯留量は1万9,400立方mとなる。 引き続き、コンクリート構築が進むケーソンの上部へと移動し、水が貯留されているケーソンの内部ととも に、足場の解体が行われている現場を見て回った。 今回の「自動化オープンケーソン工法」は、大別すると自動掘削揚土システムと自動沈設管理システムで構 成。自動掘削揚土システムは、ケーソン内壁円周に設置した走行レール上を水平方向に移動しながらケーソン 刃先部を自動掘削するバックホウ型の自動水中掘削機と、それにより掘削された土砂の揚土及びケーソン中央 部(自動水中掘削機で掘削できない中央部分)の掘削と揚土を行う掘削揚土機で構成されている。また、自動 沈設管理システムは、従来型の圧入オープンケーソン工法の手動による圧入ジャッキ操作を、ケーソン躯体に 設置した各種計測器データを自動管理することにより圧入沈設を行うシステムで、迅速かつ的確な圧入ジャッ キ操作を可能にし、沈設精度の向上と沈設作業の合理化を図ったもの。 また、JVでは今回の工事で契約後にVE提案。このVE提案では、水中コンクリート内に応力材として、鋼 殻桁を設置することで水中コンクリートの厚さを薄くし、ケーソン本体の深さも浅くすることが可能となる。 さらに、鋼殻桁を格子状にすることで、制限されているコンクリートの打設量にも対応できるようになった。 今回の工事は、寺畑前川の最上流部に調節池を設け、豪雨時に増水した河川の雨水を取水施設(横越流堰)か ら地下の導水路を経て調節池に流し込み一時的に貯留し、さらに、越流堰下流部の河床を切り下げることで流 下能力を増大させ、豪雨による水害を防止しようとするもの。工期は2007年3月25日までで、現在の工事の進 捗率は約70%となっている。
2006年07月21日
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