日刊建設新聞社.com
ニュース | トピックス | 建設業株一覧 | マーケット情報 | 建設用語辞典 | 倒産情報 | 地図 | 建設業法
 
トップページ► トピックス

和歌山県が入札制度改革 指名競争を廃止、条件付き一般競争入札へ

◇◇◆ランク付けで業者を評価◆◇◇ 和歌山県は、昨年発覚した県発注工事での談合汚職事件を教訓に検討していた公共工事の入札制度改革の概 要を発表した。その大きな柱は ?来年6月以降、指名競争入札を原則廃止し、条件付き一般競争入札を導入する ?来年6月の地域要件の緩和に伴い、県内統一の発注基準を定め、ランク付けで業者を評価する ?大規模な工事で、JVあるいは施工可能な県内企業の単体でも入札に参加できる「混合入札方式」を採用 する というもので、「談合がしにくい制度」を構築したとしている。   県は、今年1月に公共調達改革の分野における我が国のトップクラスの有識者六名で構成した「公共調達検 討委員会」(郷原信郎委員長・桐蔭横浜大学法科大学院教授)を設置し、談合防止と効率的かつ効果的な公 共調達制度の構築について検討を重ね、5月10日に報告書を県に提出。その報告書について、県が県民から の意見を聞いた。今回の改革は、この報告書や県民の意見を踏まえて取りまとめたもの。 主な内容は、指名競争入札の原則廃止に加え、新たに盛り込むランク付けで業者を評価。その点数評価につ いては、経営事項審査点数に対する地方基準点数のウエートを高め、その際に不良・不適格業者の排除の観 点から工事成績が際立って悪い業者、入札談合などの不正を犯した業者などに対してはランクダウンさせる ことにした。一方、地域社会の要請への適応としての「コンプライアンス評価」として、可能な限り客観 化・数値化し、その評価に応じてランク付けを行い、地域貢献で業者を評価する。実施から2年間は過去の 受注実績を一定割合で加算するなどの経過措置を講じ、専門工事に関してはランク付けに際して十分な専門 性を確保できるだけの条件を付けるとしている。 具体的に不良・不適格業者排除の評価項目は、工事成績、技術者数、保証会社による保証の有無、外注比 率、営業所の実態、反社会的勢力との関わりなど。コンプライアンス評価項目は、重機・仮設資材などの保 有状況、産業廃棄物管理票制度の適正処理、労働安全衛生法関係資格者数など。今後のスケジュールは8月 末に県の原案(コンプライアンス評価基準)を発表。その後、説明会や意見募集を行い、11月に資格審査内 容について公表。来年1から2月の入札参加資格審査を経て3月末にランクを決定。4月に公表し、6月1 日から実施に踏み切る方針。 またランク付けで、成長志向の業者をサポートするために上位にランクされた業者が、下位ランク工事へも 参入できるようにする。ただし、実施(来年6月)からの2年間は上位にランクされた業者のみが下位ラン ク工事への参入が可能とする。JVは、施工可能な県内企業が存在しない工事については従来型の県外・県 内業者のJVとし、施工可能な県内企業が存在するがその数が少ない工事については単体でも認める「混合 入札方式」を今年7月から実施する。 さらには、今年6月から導入した電子入札について、条件付き一般競争入札を拡大。対象は今年の予定価格 5千万円以上、来年6月から3千万円以上、2009年6月から1千万円以上へ広げる。また、総合評価方式 (昨年7月から導入)は、「高度技術提案型」や「標準型」の積極的な取り組みに加え、技術的な工夫余地 が少ない「簡易型」についても、ランク制度の導入や最低制限価格などの適用価格などと併せて採用を検討 する。総合評価審査委員会の外部委員増員も図る方針だ。 このほか、談合構造、談合ルールの解明に協力した違反事業者への指名停止措置の短縮を今年7月から実 施。損害賠償の扱いも来年6月をメドに検討する。また、事前公表している最低制限価格・低入札調査基準 価格の事後公表を来年6月から実施するとしている。

2007年06月22日
▌トピックス
| Operation | 利用規則 | プライバシーポリシー | Connect |
Copyright c 2024 nikken-times.com All rights reserved.