建設7団体、「緊急公共工事品質確保対策」説明会
冒頭、主催者を代表してあいさつに立った土工協関西支部の本庄正史支部長が、頻発する公共工事の低入札、 それに伴う下請業者へのしわ寄せや労働条件の悪化などを挙げ、「国の緊急的な品質確保対策で、その効果が 近畿地区にも求められている。会員、企業はこの趣旨・内容をよく理解し、周知・徹底させ、今後の適正な事 業活動に生かしてほしい。くれぐれも混乱が生じないように」と語った。 緊急公共工事品質確保対策は、国土交通省が増加するダンピング対策の緊急的な対応として、昨年4月にとり まとめた工事の施工段階における監督・検査、立入り調査などの強化対策に加え、昨年12月8日に入札段階を 中心とした ?総合評価落札方式の拡充(施工体制の確認を行う方式の試行実施) ?品質確保ができないおそれがある場合の具体化(特別重点調査の試行実施) ?一般競争参加資格として必要な同種工事の実績要件の緩和 ?入札ボンドの導入拡大 ?公正取引委員会との連携強化 ?予定価格の的確な見直し の6項目を追加したもの。 今回の説明会で野田室長が強調したのは、「施工体制の確認を行う試行」と「特別重点調査」。施工体制の確 認は、新たに施工体制が確実に確保できるかを審査要素に加味する(施工体制評価点の創設)とともに、技術 提案の内容に応じて与えられる技術提案加算点の上限を引き上げ、価格以外の技術面の要素が十分に評価され るようしたもので、施工体制評価点30点を新たに追加した。野田室長は「施工体制確認型で企業の評価は上が る。従来と異なり点数に差がつきやすい。約50件で試行し、ダンピングの沈静化や品質確保に効果が表れてい る」と述べた。 特別重点調査は、予定価格2億円以上の工事で、入札価格が調査基準価格を下回り、かつ品目別金額(直接工 事費、共通仮設費、現場管理費など)が一定割合を下回る入札者には「厳格な調査」を実施し、入札者から説 明資料を求め、ヒアリングを行うもの。野田室長は、特別重点調査で、これまで入札に応じた八社のうち七社 がこの調査の対象になった事例、15番札が落札者になったケースを紹介し、「施工体制や安全管理には、くれ ぐれも気をつけて失格とならないように」と注意を促した。 この後、近畿地方整備局の対応として、伊藤利和企画部技術調整管理官が、依然として高い近畿の低入札(全 国1位)を挙げ、低入札者の新たな工事受注への制限や競争参加資格要件に係る工事実績年数の見直し(過去 10年から15年)を図っている最新の強化対策など、国土交通省総合政策局建設業課の大辻統課長補佐が、「入 札・契約制度の最近の動向について」それぞれ詳しく解説した。
2007年03月09日
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