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安治川護岸補強、背面改良案で実施

年度内にも試験施工  大阪府・技術検討委で確認  安治川左岸での護岸変形に対する補強工法等の検討を進めていた大阪府都市整 備部ではこのほど、護岸背面に地盤改良を施す背面改良案による試験施工を実 施する方針を固めた。このほど開催された「安治川(此花西部臨海地区)護岸 補強技術検討委員会」(委員長=足立紀尚・京都大学名誉教授)での検討結果 を踏まえたもので、今年度内には実施することとしている。 護岸に変状が生じているのは安治川左岸のユニバーサル・スタジオ・ジャパン に隣接する河口部延長約850mの部分。護岸の異常が報告されたのは、スーパー 堤防の盛土工事を実施中の2001年12月。盛土による護岸への影響を監視してい る中で護岸変形が確認されたもの。 【写真上:安治川左岸の現状】 【写真下:先頃開かれた技術検討委員会】
大阪府では、1991年4月から7年3月まで、河川整備事業の一環として鋼管矢板による護岸の耐震補強工事を 実施。その後、1997年4月から護岸背後でスーパー堤防の造成工事が開始された。 変状の状況は、鋼管矢板護岸が前面に傾斜したもの。その後も変状調査は継続されており、これまでの調査結 果では、鋼管矢板天端と背後のひび割れで最大約1.5mが確認されている。現在でも僅かながら変状傾向が見ら れ、今後も護岸変状が続くものと予想されている。 このため大阪府では、発生原因の解明と今後の対策等を図るため、2005年8月に安治川(此花西部臨海地区) 護岸補強技術対策検討委員会を設置、これまでに3回の委員会を開催して検討を進めてきた。 第1回目の委員会では、変状発生に関する経緯はじめ、護岸周辺の調査とその結果に基づく現状分析と今後の 検討方針などが話し合われ、第2回目ではそれらの結果を基に対策案などを検討し、先月31日に開催された第 3回の委員会で、背面改良案とする対策工法を確認したもの。 工法の選定にあたっては、背面改良案はじめ鋼管矢板新設案など6つの案を比較検討。それぞれ対策効果や施 工法、経済性などについての比較を行った結果、背面改良案を選定するとともに、実施にあたっては試験施工 が必要と指摘された。 府では、最も変状の激しい箇所を中心に延長50m程度の試験施工を年度内にも実施する方針で、今後設計に着 手するとしている。 委員会で足立委員長は、「クラック等の発生や変形モードは必ずしも固有の場所で発生すると限らず、全体を 把握する必要がある」との見解を述べ、施工プロセスを重視しながら「試験施工時に配慮すべき」と指摘し た。 なお、技術検討委員会メンバーは次の通り。 足立紀尚・京都大学名誉教授(委員長) ▽井合進・京都大学防災研究所教授 ▽岡23生・京都大学大学院工学研究科教授 ▽北詰昌樹・独立行政法人港湾空港技術研究所室長 ▽小橋秀俊・独立行政法人土木研究所上席研究員 ▽三村衛・京都大学防災研究所助教授
2006年09月07日
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