奥村組、「スラリー連続脱水処理システム」を開発
従来、ダム湖の堆積土砂の処理は、浚渫した土砂を天日乾燥する方法やセメント系固化材等を用いて土質改良 する方法などが一般的に用いられていた。また、天日乾燥するヤードが狭小な場合には、フィルタープレスを 用いた機械的脱水方法が採用された例もある。しかし、天日乾燥の場合は非常に広い処理スペースが必要とな り、フィルタープレスでは連続処理ができないため、施工コストが嵩むといった課題があった。 今回開発した「スラリー連続脱水処理システム」は、一次スクリーンと縦型スクリュープレスで構成されてい る。まず、浚渫土砂に含まれる礫や砂などを一次スクリーンで分級した後、このスラリーに凝集剤を加えて縦 型スクリュープレスの下部に送る。 縦型スクリュープレスでは、内部のテーパー状のスクリュー軸が回転することでスラリーが上方に移送され、 外筒スクリーンとスクリュー軸との容積が徐々に小さくなり、スラリーが圧縮・脱水される。上部の排出口の 開口量を検出し、スクリューの回転数を独自の方法で自動制御することで、処理土の強度を自在に調整するこ とができる。 ダム堆砂土を用いた同システムの実証実験では、高含水率のスラリーをスクリューの回転数制御で自在に強度 調整できることを確認した。例えば、含水率70から100%のスラリーをコーン指数400以上(第三種建設発生土 相当)に処理することで、盛土や埋め戻しなどの材料として再利用が可能になる。同社では、縦型スクリュー プレスの採用で設置スペースの縮小化を図るとともに、固化処理土の品質確保、省力化、処理コストの低減を 図った。
2006年05月11日
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