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JIA近畿が知事に要望書、大阪府庁舎本館保存活用を

(社)日本建築家協会近畿支部(吉羽逸郎支部長)はこのほど、大阪府庁本館の保存活用に関する要望書を太 田房江知事宛に提出した。今年5月に報じられた、府庁本館の建て替え方針に関して「建築文化と府民の資 産」との観点から、保存活用に向けた整備を訴えたもので、「支部としても可能な限り協力したい」としてい る。 要望書は、吉羽支部長並びに、同支部保存再生委員会の橋本健治委員長の連名で今月13日に、総務部庁舎管理 課を通じて提出されたもの。内容は、府庁本館建替えの報道に触れ、「建替えまでの経緯と社会的価値の変容 を経た現状況をふまえて、都市や建築文化はもとより府民にとって大切にしたい資産としての庁舎本館の前途 につき、より永く活かさることこそが今日広く期待さていることと拝察いたしました」と要望書提出の趣旨を 説明。 次いで、府庁本館の建設経緯に触れながら、建築の観点から考察を加え、「大正末期における日本の近代建築 の到達点が継承されて今なお現役の価値ある存在」と指摘。さらに建物自体が、「建築表現上の希少性という より唯一性、そのものだけでしか伝えられない存在で、置き換えることのできない貴重な共有財産」と位置付 け、保存活用することの意義を強調。 最後に、現代の技術によって適切に構造強化・修復保存しつつ、保存部に新機能の導入や増床による庁舎機能 の集約拡充など、「保存活用建物と敷地全体とによる総合価値を次代に向けてより有効に活用されることを切 に望む」とし、協会としても実現のためにできる限りの協力をしたいーと結んでいる。 府庁本館については今年2月、府が行った耐震診断の結果、震度6強から7程度の地震に対して「倒壊か崩壊 の恐れあり」と診断された。このため府では、補強工法等の検討を進めるとともに、新庁舎整備計画とも連動 しながら庁舎整備の在り方について検討を加えることとしていた。 府庁本館は、1926年に竣工したRC造一部SRC造地下1階地上6階建て、延床面積約3万4,000?の規模。 本格的な鉄筋コンクリート造の庁舎で、1923年の関東大震災を受け、当時としては最新の耐震設計が採用され ている。 大阪府庁本館(要望書より引用) 1926年に竣工した大阪府庁舎本館は、1922年の大阪府庁舎設計競技において応募81作の中から1等当選を果た した建築家・林金吾(名古屋市庁舎でも1等当選)及び岡本馨の原案を、変更の要なく府庁営繕によって実施 設計された当時の先進的建築で、近代大阪隆盛の時代様相が外観や内部空間随所に表象して、その質・規模と もわが国近代における庁舎建築の代表的存在となっている。 意匠的には、古典様式を抽象簡素化しながら格調高い近代的手法を採った先駆的な傑作であり、性能的には工 事中に起こった関東大震災の教訓を反映した当時最高水準の耐震耐火建築(鉄筋コンクリート造・1部鉄骨鉄 筋コンクリート造・開口部に網入り硝子)の先駆的事例であり、建築物全体に先人らの思いが溢れている。 正面外観では重厚な表現の中央部と近代的ビルディングの様相をおびる両翼部とが切り離せない程に見事な一 体的構成をなし、車寄せ玄関部や中央会談ホール吹き抜け部及び当初の正庁や議事堂など、内外空間随所に優 れた意匠と貴重な素材が現存して、庁舎建築に求められる機能に即した簡素な中に壮麗さを兼ね備え、大正末 期における日本の近代建築の到達点が継承存続されて今なお現役の価値ある存在となっている。

2006年07月26日
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